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2020.05.28 Thu.

【Q&A】特別配信!|社会が求める『ESG思考』

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みんな電力の若手ホープ・長島遼大の企画、運営、尽力で、社としても初の試みとなったトーク配信企画は大成功をおさめた

  大反響となったオンラインイベントをまとめた全3回のENECT記事「特別配信!|社会が求める『ESG思考』」はお読みいただけましたでしょうか?
 今回は、オンラインイベント中にお答えできなかった質問に対して、登壇者の夫馬さんと三宅さんが回答していく特別回です。オンラインイベントでは語りきれなかった、夫馬さんの新著タイトルでもある「ESG思考」をより深く理解するために必要なお話や、再生可能エネルギーを供給するみんな電力だからこそのお話など、普段はなかなか聞けない内容が満載のQ&A記事です。ぜひ、お楽しみください!
  本記事にて、『コロナ期に社会が求める「ESG思考」とみんな電力の想いとは?』全コンテンツが公開となりました。みんな電力ではこれからも、動画や記事、オフラインイベントといった様々な企画を通じて、これからの社会を生きるために必要な情報を、面白く発信していきます。各々にあった方法で情報をインプットいただき、活かしていただけると幸いです!
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すでに大きな反響を得ている夫馬さんの新著はすぐにアマゾンでも売り切れ、版元の講談社+α新書サイトから購入可能

 ★「ESG」について★
ー経済認識に関する4分類モデルについて、国内におけるそれぞれの割合はどのくらいだとお考えでしょうか。 また、ニュー資本主義が進む欧州の場合はどうでしょうか。
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夫馬 きちんとした統計がないので、私の主観ですが、欧州にも日本にも市民の理解についてはそこまでは変わらないと思っています。
日本は、ニュー資本主義:15%、脱資本主義:30%、オールド資本主義:40%、陰謀論:15%
欧州は、ニュー資本主義:25%、脱資本主義:30%、オールド資本主義:35%、陰謀論:10%
 ただ市民全体のバランスよりも、機関投資家と大手企業(時価総額が1兆円以上)の経営陣の認識の違いに僕は注目しています。欧州では、機関投資家と大手企業(時価総額が1兆円以上)の経営陣は、80%がニュー資本主義にいるのに対し、日本の場合は、15%ぐらいだと思います。これは、あくまで感覚値となります。
ー「E」と「S」と「G」のうちGが一番取り組みが進んでいて、Eも取り組みが行われているというのを何かの記事で読みました。Eの現状についての所見(海外と日本の比較も含め)をお聞かせください。
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夫馬 Eについては、圧倒的に気候変動の話題ですね。このあたりは、「TCFD」という用語を調べてもらうといいと思います。また、「RSPO」、「NDPE」、「FAIRR」という用語もできれば英語で調べてもらうといいです。
 海外の機関投資家の多くは、この4つの用語をかなり理解しています。日本の機関投資家ではTCFDについては、わりと勉強が進んでいますが、その他の3つの用語を知っている人は少数派だと思います。ここが海外と日本の差ですね。
 ★再生可能エネルギーについて★
ー再エネは不安定で高い。だから国民負担をこれ以上増やさないために、2030年時点での日本の電源構成に占める再エネ比率は22%が精いっぱいという意見について、どのようにお考えでしょうか。
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三宅 そもそも再エネが不安定で高いという認識は古いものになっています。不安定というのは、再エネが天候で安定しないため調整が必要という意見もありますが、それは再エネ導入率が30%を超えたあたりから問題になることです。少なくとも22%(うち半分は水力など安定電源のため、実質変動は12%程度)では不安定さが制約になりません。
 また、コストが高いというのは少なくとも海外では逆転しており、石炭などと競争できるレベルです。日本でもすでに、太陽光については他の電源と競争できるレベルに近づいており、近々均衡してくと見られています。つまり、22%はコストや安定性の制約ではありません。
 現在の目標数値は、原子力の稼働(22%)が前提になっていますが、おそらくこれは不可能です。ということは、おのずと再エネに求められる目標数値は大幅に引き上げる必要もあります。
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固定価格買取制度が2030年代に終了していきますが、どのようなビジネスチャンスが生まれるとお考えでしょうか。家庭用の買取制度が今年度失効して、各社が様々な戦略をとったことが記憶に新しいと思います。それ以上のインパクトが環境や社会にあると思うのですが、懸念点や可能性について教えてください。
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企画中、若手の熱意にほだされ、みんな電力事業本部長・三宅さん(写真右上)もエネルギーの未来について、熱い言葉をいくつも残してくださった

三宅 新規のFITはあと2年で終わることが決まっていますので、2030年を待たずして、再エネにとって新しいフェーズがやってきます。海外で起こっているように、再エネはもう高いものでなく、経済的な優位性を持って拡大していくフェーズに変わっていきます。
 これまでの中央集権的な電力供給システムから、分散型再エネ電源中心のシステムに変わる時、ビジネスチャンスをつかむのは、その変化を捉えて先駆けて新しい仕組みを提供していけるプレーヤーです。今後、近いうち訪れる再エネの自立拡大フェーズによって、環境と社会の両面から大きなインパクトが起きると考えられます。
 ★これからの社会について★
ー若者の長期思考を養うにはどのような能力が今後必要とされるとお考えですか。グレタの登場然り、世界の若者のサステナビリティ意識が高まっていることについて、国内の学生に夫馬さんが特に期待しているのは何でしょう?
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夫馬 長期思考を養うには、データを読み解く力ですね。環境でも気候変動でもいろんな予測がありますが、自分で予測モデルの優れている点や弱点を読み解けるようになっていって欲しいです。そのためには統計学は重要です。
 グレタの登場で若者に期待している点は、すでに環境分野への関心は高まっていると思うので、経済と金融の勉強をして欲しいと思います。こう言うと、「環境よりも経済が大事だ」と言っているように聞こえるかもしれません。しかし僕の本意は、経済と金融を勉強することで、ニュー資本主義がどう形成されているか?ニュー資本主義でさらに修正しなければいけないのはどこか?を、考えられるようになるということです。
ー現状、日本の企業はなかなかESG投資思考に踏み切れていません。コロナからの立ち上がりに始まる次の10年続く未来について、国全体の行方というマクロな視点、日本企業の総体力の推移などの視点から、どういう予測ができますか?
 また、その予想をベースにみんな電力の強みについて、夫馬さんのご意見を伺いたいです!
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夫馬 ESG思考は、簡単には制御できない長期的なトレンドを視野に入れた経営戦略です。そして長期的なトレンドには気候変動、人口減少、デジタル化、脱プラ化などがあります。
 ですので、ESG思考に踏み切れないでいると、長期的なトレンドによって生じる事業機会を逸失してしまうとともに、トレンドがもたらす損害が直撃し、収益性を大きく落としてしまいます。結果として、海外から見られた時の日本の先進性やクールさというブランドが消失していき、さらに市場競争力を落としていくというのが悪いシナリオです。
 一方、みんな電力は、国際的な電力業界のガイドラインを踏まえた上で、発電者と電力消費者を新しいテクノロジーで繋げる価値を生み出しており、世界の最先端を走っています。すでに海外からもみんな電力の事業モデルには関心が集まっています。
 みんな電力のように、ESG思考をもって長期的なトレンドに先手を打った戦略が打てる日本企業があるということを、何よりまず日本の人々に知ってもらうことで、「自分たちも頑張ろう」と勇気を与えられる存在になれるのではないかと思います。
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(出所)東京都のデータを基にニューラル作成。電力販売量2000MWh以上の低圧取扱事業者に限定。再エネ率0%はグラフから除外

 

日本でどんなにそれっぽい理屈を並べ抗っても、世界ですでに圧倒的規模で動いている「ESG」は意識せざるをえない。

みんな電力・長島くんの尽力で、大変貴重なお話がかたちに残せました。それでは、来週月曜公開記事も、お楽しみに、、!

 

(文:長島遼大/構成:平井有太)
2020.5.4 mon.

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