2020.06.07 Sun.

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  コロナ禍に配信された貴重なトーク。社会の価値が大きく変わり、短期的な儲けではない、長期目線で、皆で繋がりながら循環させていくサーキュラーエコノミーの重要性が、このタイミングだからこその説得力あるメンバーで語られた。
 参加されたのは、新型のウイルスによって唐突に激動する社会の渦中に置かれた飲食業界から、もともと骨太なSDGs、ESGの実践者である株式会社ゼットンの鈴木伸典代表取締役。マレーシアを拠点に、ご自身でも現地と日本で飲食店を経営、投資家でもあるスタートアップスクエア株式会社の恵島良太郎代表取締役。そして金融の世界から、ESG投資の今と可能性について各省庁との調整はもちろん、政府委員も務めながら積極的な発信を続けられる三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社のプリンシパル・サステナビリティ・ストラテジスト、吉高まりさん。
 ファシリテイターをみんな電力・三宅事業本部長、司会をみんな電力・山下麻美が務めた、聞いているとこのまま未来を切り拓きそうな熱気、伝わりますように。
恵島 お話を伺っていて、今後はCFOの立場の方のコミュニケーションの質量がだいぶ変わってくるように思います。定量的なP/LとB/Sじゃないところのストーリーで価値を持たせることが、もっと大事になってくると言いますか。
吉高さん
吉高 はい、そこは大変重要だと思います。
 企業の経営会議などでESGについて話をしに伺うと、財務、事業、CSRなどの各担当役員の方々が出席されています。ESGは、これまでCSR部門に任せている企業が多いため、経営の中枢部門である財務部や事業部の役員の方々は、その話はよくわからず、自分ごととして考えていないことが多い。
 本当は、経営の中でESGを統合してやっていかないといけません。ESGが経営のど真ん中に入っていかなければ、逆に言えば、現状のままずっとP/Lなど収益や業績だけで評価され続けることになります。その流れを変えるためには、経営者層全体が、ESG経営へ変わることの意識を持たないといけません。
 でも私は、すでにそれも徐々に変わり始めているとコロナ前から感じていました。
恵島 そう考えると、みんな電力さんは昨年の1月の時点で約12億円調達しています。すごいことだったと今でも思います。
 あれは、どういうコミュニケーションをされた結果だったんでしょう?
三宅さん
三宅 まだ我々はベンチャーですので、「成長」は一つの評価軸ではあると思います。売上も前年比2倍程度に伸びているので、そういった意味での評価はありつつ、一方で私たちの価値を見ていただいたのは、ほとんどがBtoCの会社さんです。
 TBSさん、マルイさん、セガサミーさんといった企業の方々の発想として「僕らに投資することによって、自分たちの価値を上げたい」という想いがあったと、私は理解しています。
 なぜ我々がそういう風に評価していただけたのか、再生可能エネルギーを供給している会社として、再エネの価値をきちん伝えるための努力をしてきたということはあると思います。それはブロックチェーンを使ったり、産地をわかるようにするトレーサビリティをつくったり、他社にはない仕組みを自らつくってきました。
 そういったものを取り込んで、TBSさんがこれからも、今はラジオでPR展開してくださってますが、将来的には自らの再エネ使用について、僕らを使って広めていくという考えもあって選んでいただけたんだと思います。
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吉高 私は「ストーリー」が重要だと思っています。私が以前いた三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、みんな電力さんの出資者でもあるマルイさんの「グリーンボンド」(資金使途を、グリーンな事業に限って発行される債券のことをいい、ESG投資家がESG投資の一環として購入する。マルイは、事業活動の電力を100%再生可能エネルギーにする「RE100」を実現するための資金をグリーンボンドで調達)発行をお手伝いさせていただきました。
 再生可能エネルギー事業者がたくさんいる中で、みんな電力さんのビジネスはストーリーという点で秀でています。
 マルイさんは、早くからESG経営に舵を切っておられました。ESG投資家に対してコミュニケーションをとるのに、また、社内で経営層を説得するのに、わかりやすいコンテンツをみんな電力さんが提供されているということが、大きいのだと思います。
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恵島 かなりレベルの高いコミュニケーションをされていると思います。
三宅 マルイさんは弊社に投資すると同時に、RE100宣言もして、実際に再生可能エネルギーも使っていただいています。
 我々は再エネを販売する会社ではありますが、ストーリーも売ってるということがあります。電気には色も味もないわけで、それを「再エネに替えました」と言ったところでそのことを表現できません。そこで産地と生産者に注目して、マルイさんの場合なら、青森県でつくられている風力発電所の電気をある店舗に「ピンポイントで供給します」ということを証明付きで、ブロックチェーンを使って実現させました。
 そういったところが、経営者にとっては非常にわかりやすいメッセージとして使えると。それをお客さんや、さらに彼らの投資家にもその話ができて、もちろん新入社員にもメッセージが出せるということで評価いただいたんだと思います。
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鈴木 これからキーポイントになってくるのは、「フードシステム」だと思っています。飲食店でも、地産地消みたいなことは以前から唱えている方々が多くいると思います。
 でも例えば、「仕入れの移動距離をいかに短くするか」。これは大きな世界観で捉えれば、いわゆる「CO2排出の抑制」ということにも繋がっていきます。いかに仕入れを近隣で、できるなら日本国内で成立させることができるなら、それは一つ大きな、外食産業におけるサステナビリティの取り組みになるんじゃないかと思っています。
 今うちのサステナブルの役員には、日本国内での原材料の調達がどこまで可能なのかを調査してもらったり、僕らの問屋さんがどこに発送の倉庫を持っていて、どんなルートで僕らの手元に届いているのか、そのような部分を意識して、仕入れについてのオペレーションを改めて見直してもらっています。
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ゼットンでは2020年3月から一部の店舗でサステナブルシーフードを使用したメニューを販売・提供しております

 昨年秋には、サステナブルシーフードの採用を始めました。日本では天然モノにしても養殖でも、魚介類の自然環境には非常に厳しい状況があります。例えば乱獲されて生態系が崩れたり、そういった情報が調べるほど出てきます。
 その時にASCやMSC認証をどのように使うことができるのか。しかしそれらは価格も高いので、おのずと商品の構成自体も変わってきます。ですから、サステナブルなものをどう仕入れてどう提供するのか、そういったオペレーションの見直しもしています。それは、各店舗でそもそもの「仕入れ」という側面から意識を変えられる、大きなポイントになると思っています。
吉高 今回のコロナ禍で、輸出入はどうしても減りますし、日本は今鎖国状態です。エネルギーを海外の化石燃料に頼るのではなく、みんな電力さんが進める再エネの分散型電源で、地域の自立した生き残りを真剣に考える時期です。たぶん、この状況は1、2年は続くわけですから、いいチャンスだと思います。
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鈴木 まだ僕らも片手落ちな部分が多いので、これからいかに細部を詰めることができるかが勝負だと思っています。
恵島 お客さんに伝わる前に、やっぱり従業員に伝わるわけです。ゼットンさんは新たにCSOを据えて、社内独自の約束ごとまでつくって、そうすることで100%従業員に「ウチの会社は電気までやるんだ。本気だぞ」という、そこからメッセージが、お客さんには伝わっていくような気がします。
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鈴木 僕らくらいの事業規模でCSOを据え、それを世に公表している企業を見たことがありません。ただそういうことを、今の時点からしっかりと組んでいくということが、僕らが未来に向けてサステナブル企業としてやっていくしっかりとした礎になるんじゃないかと思ったんです。
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司会を務めたみんな電力・山下麻美のキレのある進行

山下 お話の途中で恐縮ですが、ここで吉高さんにご質問がきています。
 GEが各ステークホルダー向けの説明を、それぞれ用に変えているとのことでしたが、日本企業でもそういったことをしていますか?
吉高 統合報告書は日本企業でも、マルイさんのようにつくられ始めてはいます(統合報告書とは財務情報とESGのような非財務情報を統合して、経営トップの姿勢を投資家に開示するレポートを指す。マルイは「共創経営レポート=統合報告書」、「共創サステナビリティレポート」を別に発行)。
 多くの企業で統合報告書がつくられ始めてはいますが、だからといって明確に投資家が求める「ESに関して」情報開示ができているということではありません。まだ、社会一般に対する「CSRレポート」、「環境レポート」といったものが多く、経営の中に統合されていることを表すレポートは少ないです。
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山下 他にも続々と質問がきています。
 ビーガンや宗教に対する配慮の面から、工業型の畜産業が温室効果ガスを多く排出する状況の中、「プラントベースメニュー」の充実はESGとして評価されるでしょうか?
吉高 日本で気候変動に関しては、石炭火力等によるCO2排出量についてよく取り上げられますが、山火事など生態系の破壊によってCO2が増えているということの方が、欧州のESG投資家などは問題視しています。つまり工業型の畜産業も、評価の対象になります。
 とはいえ、代替ミートとして「大豆ミートであればいい」と一概には言えません。なぜなら、その大豆生産のためにブラジルの熱帯雨林を伐採していたら意味がないわけです。自然の全体的なバランスの中で説明されなければ、よい評価にはなりません。
 それこそが「サーキュラーエコノミー」です。気候変動問題と分けて考えてはいけません。今、気候変動の問題解決を自然全体の中で解決を考える、「ネイチャーベースドソリューションズ」という言葉が注目されています。「自然循環の中でどう持続可能か」ということををきちんと説明できればよいと思いますし、ESG投資家もそこに関心は持っていると思います。
山下 電気も仕入れ距離を短くするという地産地消的ストーリーは、食品の仕入れで言う地産地消と同じように捉えられていますか?
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三宅 電気にも「地産地消」という考え方はあります。電気は今まで、遠いところから運んできて供給するという仕組みでした。大きな火力発電所や福島の原発のようなものがあって、それを東京に運んできて使っていたのが、今後は太陽光や風力といった、陽の当たるところや風の吹くところに発電所がいっぱいできて、分散していきます。
 それを効率的に使うには距離的に近い方がいいのは当然ですし、分散したものを使える仕組みにしないといけません。だからこそ、ブロックチェーンというものはまさにそこで機能して、今後そのようなパラダイムシフトが起きていく予想を私たちはしています。
 中央集権型から分散型に変わる。わかりやすく言えば、いろいろな人が、個人でも企業でも電気をつくれるし、それを誰もが買えるようにするというのを、取引としてつくる仕組みがブロックチェーンです。我々はそういったものを提供しています。
 先ほどからの食の話もそうですが、「仕入れをどうするか」という、それは突き詰めると「どこの生産者から買っているか」ということを消費者に見せることです。そして、「それが安心になる」ということなんです。
鈴木 「なるべく近いところで買う」ということは、そこで雇用が生まれたり、そういう部分にまで話が繋がっていきます。特に僕らみたいな業界は、そこまでわかった上で「じゃあ、何をする?」ということが大事なんじゃないかなと思います。
三宅 今日は、「コロナ後の社会はどう変わる?」ということを考えながら進行してきました。
 人のマインドはだんだん「安心」や「繋がり」というところに行くんじゃないか。その時に、食も洋服も、それは電気にしても「もしかしてこれをつくってる先で、誰か泣いている?」ということではない、ちゃんと由来がわかって、しかもそれをお見せすることで、適切なお金を払っていただけるのではないかと思っています。
鈴木 今後は人との距離感が非常に変わってくると思います。人が人と会う時間で「誰と会うのか」ということが重要になるのと一緒で、モノも「必要なものを買って、身につける」というような、人々の選択の目が今まで以上に「本質に向く」のではないかと思います。
恵島
恵島 マレーシアでは先々週からロックダウンが解除されました。僕はコチラで飲食店を3店舗やっています。売上は今月末の数字で解除前と比べて50%増ということで、かなり堅調に回復しています。それを見ていて、コロナだとしても人間は皆は忘れやすいので、大きく何かが変わるというよりも、ロックダウン中に抑圧されているものが一気に上がってくるかなと思っています。
 もう一点は、コロナ前からお金余りの状況が続き過ぎています。ということは、どこかで別のリセッションがくる。つまり、そのリセッションの前にコロナが来たという認識でいますので、そこを経営者としてしっかりウォッチしないといけないと思っています。
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吉高 私の場合は予測というよりも、希望になりますが、今回の件は日本にとってはいいチャンスではないかと思っています。日本は他の先進国に比べれば、コロナを押さえ込み、財務的に強い企業も多く、衛生に対する国民の高い意識があるという強みがあります。今後も皆さんと力を合わせて、日本の未来に向けて何か貢献できたらいいなと思っています。
葛西臨海公園

 

「ESG」テーマのトーク配信企画、夫馬さん『ESG思考』から立て続けの計7回に及ぶ記事、いかがでしたでしょうか?

行くべき方向は決まっている。では、その情報をどう社会で共有し、前進するか。すべては、今まさに激動の最中です

 

(協力:山下麻美/構成:平井有太)
2020.5.23 sat.
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