2020.06.04 Thu.

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  5月23日(土)に開催された、みんな電力主催、コロナ禍2度目となるトーク配信企画
 ファシリテイターをみんな電力・三宅事業本部長が務め、参加者はまず、新型のウイルスによって唐突に窮地に立たされた飲食業界から、外食産業にあって骨太なSDGs、ESGの実践者である株式会社ゼットンの鈴木伸典代表取締役。次に鈴木氏のトライアスロン仲間であり、ご自身でも日本とマレーシアで飲食店を経営、コンサルも務めるスタートアップスクエア株式会社の恵島良太郎代表取締役。そして投資サイドからは、話題となったFRaU(講談社)のSDGs特集などにも関われば政府委員も務められ、ESG投資の今と可能性について積極的な発信を続けられる三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社のプリンシパル・サステナビリティ・ストラテジスト、吉高まりさん。
 一見カタい「ESG投資専門家が語るアフターコロナのサステナブル経営」というタイトルとは裏腹に、「ESG」という概念は一部上場企業や投資家だけではない、中小企業や私たち一般消費者にも直結する話であることがわかります。
 変革は皆でつくるもの。ぜひ。
三宅 「ESG投資」という新しい流れに投資家もだんだん関心を持ち始め、その情報を求めているということだと思います。経営者にとっては、「その価値をどう表現するか」という情報開示の部分が非常に大事ではないでしょうか。
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吉高 今年2月に内閣府男女共同参画局主催のシンポジウムでご一緒した塩野義製薬の手代木社長が仰っていたのですが、手代木氏が社長に就任した当時は同社の業績や株価は低迷しており、そこで社長が実践したことの一つが、自分の仕事時間の1/4を投資家とのエンゲージメントに充てることでした。
 当時、企業の社長や経営陣が投資家とのエンゲージメントにそこまで時間をかけるということは、ありませんでした。また、塩野義製薬さんが長年続けられてきたマラリアなどの感染症への取り組みは、通常ビジネスとして利益を出しにくいし、CSR以外ではなかなか評価されないと言われていました。それが、まさに今評価されているのです。
 つまり企業が、社会課題を解決しようとする事業を中長期的に取り組むことが、いかに重要で、将来の企業価値向上に繋がるか、投資家とのエンゲージメントを通じて伝えていくということに、トップの多大な努力が必要になるということなのです。
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ゼットンは2019年4月「SUSTAINABILITY STRATEGY 2019-2020」を発表

鈴木 実際に去年の1年間、サステナビリティ・ストラテジーを出して、いろいろ動いてきた中でわかってきたことが一つあります。それは、我々独自で何かできるということは「無いな」ということでした。
 例えば、電力を再生可能エネルギーに切り替えることだって、みんな電力さんのお力添えがあってこそなわけです。
 ストローにしても、紙素材のものに切り替えることがベストではないとしても、「紙ストローが現時点ではベストだ」と思ったからこそ僕たちは切り替えました。その時も、日本製紙さんと企業連携をして、たかが紙ストローだとしてもそれを一つのプロダクトととして、共に取り組みさせていただけた経緯があってこそなんです。
 世の中には紙ストローにもいろいろなモノがあります。実際にトレーサビリティの観点から見ると、不安を感じる製品も多かった。そうなると、やはりそれを「一からつくる」ということが一番の安心材料となります。
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お来店いただいた多くのお客様に海洋汚染に繋がるプラスチック問題を伝えるため、全店舗にストローポリシーを設置中

 そのプロダクトでご一緒させていただいた時に、やっぱり日本製紙さんはメーカーです。僕たちのようなBtoCでお客さまと対峙するような環境とは違います。
 我々はお店に来てくださるお客さまに紙ストローの感想を直接伺うことができる。また、現場のスタッフからは製品の強度であったり、ストローを使うフィーリングについてキャッチアップもできる。それらをまた日本製紙さんにフィードバックして、それがさらなる製品の改良に繋がっていきます。
 僕たちはそのようなことを各企業さまとやってきました。
 その時に「サステナビリティ」を経営の一つの戦略にすると、他業種の方々と本音の話が、しかも今「世の中の人々が何を求めているのか」ディスカッションできる。そうしないと生まれてこないものがあるんだなということが、よくわかりました。
三宅 我々も電力事業をやってはいますが、「ESGをやる」ということは少なくともお客さまからの理解がなければいけないし、我々だけでは電力を売る以外のことまではできません。
 それ以外の価値を提供しておられる、それは街そのものだったり、御社のようなBtoCの企業さんだったり、弊社の場合株主は百貨店だったりメディアだったりするわけです。つまりそこに共有できる繋がりがないと、大切なことが伝わらないということがある。
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鈴木 仰る通りです。
三宅 最終的にはお客さまに「気持ちいい」とか、将来に向けて社会の課題解決に繋がることでないといけないわけです。
 恵島さんも飲食業界が長く、BtoCのビジネスをよくご存知です。企業や、それはもちろん個人でも、世の中の「ESG」の流れにどうついていけるか、そのヒントはどこにあるでしょう?
恵島 ちょうど先日、鈴木社長と「ESG投資を受けられるステップに入られたらいいですね」というお話はさせてもらっていて、その時は「もう少し大きくなってからかな」という返答でした。でも考えると、時価総額が大きいからESG投資を受けられるというのも順番が違うかなと思うんです。つまりESG経営というものは無形資産で、そこが評価されるからこそESG投資が受けられるんじゃないかなと思うんです。
 吉高さん、そのあたりについて、いかがでしょうか?
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吉高 私は上場企業の経営者層、投資家、最近は地銀などの金融機関ともお話をさせていただく機会が多くあります。これからは、地銀などの金融機関もESG経営に取り組んでいかなければなりません。
 それは、いわゆるインベストメントチェーン(=銀行も含め企業が中長期的な価値向上によって利益を拡大し、それに伴う配当や賃金の上昇が最終的に家計にまで還元され、それが銀行にも還元されること)を考えて経営をしていかなければならないからです。
 よくESG投資について、「関係あるのは上場企業だけでしょう?」、「資産総額の大きなところだけでしょう?」、「じゃあ僕たちには関係ないよね」とおっしゃる中小企業さんは確かに多い。でも、そんなことはありません。
 先ほど鈴木社長も仰っていましたが、今は業界を超え、他者と繋がることによって生き残りや成長を考えていかなければならない時です。特に、このコロナ禍以降、そういうことがもっと必要になってきます。
 投資家は、その企業一社だけを見て評価するわけではありません。サプライチェーンまでも評価します。今コロナ禍にあって、投資家がESGの「S(社会)」にすごく注目しています。例えばそれは、投資対象の企業が「いかに雇用を守っているか」などです。それも投資対象企業だけではなく、その企業のサプライチェーンで関わっている企業の対応までも、評価しようとします。
 中小企業であろうとサプライチェーンの中にいるのであれば、そして、ESG評価の対象となるビジネスパートナーがいるのであれば、関係ないというわけにはいきません。
 今、世界的に低金利で市場ではお金の行き場がなく、余っています。一方、コロナ禍であってもESG投資が増えています。そして、日本企業の株式に投資するESG指数などができています。なぜかというと、日本企業は内部留保も多く、長期的に安心できる企業が多いということなのです。長期的視点を持って経営している企業が多いということで、日本へのESG投資家の関心が高くなっています。
 ですので、鈴木社長が長期の目線で持続可能な経営理念をお持ちであれば、今こそESG投資家と話していただくのがよいと思います。もちろん、それによってすぐ株価が上がり、資金が動くということではないかもしれません。でも、エンゲージメントを通じて長いお付き合いを投資家として、ファンづくりをすることは、大変重要だと思います。
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鈴木 そのあたりはウチのCFOと、「ESG投資家の方々の目線はどういうものなんだろう」ということも話しています。そして、「僕たちに今何が必要なんだろう」と思った時に、例えば「サステナブル調達」みたいなことのガイダンスをちゃんと策定する必要があるだろうと思いました。
 そしてそのガイダンスをつくった後、ビジネスモデルがそこに直結していること。
 僕らのサステナブルな戦略が、例えば「サーキュラーエコノミー=循環経営」とも繋がって、今どこまでができていて、どこが足りていないのかということをしっかりお伝えすることができるようになると、もう一、二段階、我々のステージは変わっていけるのかなという印象は持ちました。
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ゼットンが理想とする循環型社会のイメージ

吉高 すごくいいと思います。
 私が、昨年欧州で開かれたサステナビリティ投資関連の会議に出た時には、気候変動の議論はひと段落している印象を持ちました。もう再エネへの投資は当たり前で、今や投資対象の課題は、サーキュラーエコノミーになっています。昨今、ESG投資では、ワンウェイ(使い捨て)のビジネスモデルに対してすごく評価が厳しくなってきています。ですから、例えばファストファッションへの評価は厳しい。大量廃棄のアパレルブランドがいち早くコロナ対策のマスクつくったのは、なぜでしょう。
 サステナブル認証のサプライチェーンは、ESG投資の視点からは重要です。しかし小売業において、消費者は低価格を求めます。
 例えば、イオンさんは「持続可能な調達原則」を持っていますが、そのサプライチェーン企業は、その調達基準を達成するために適正な価格で商品を提供できるのか?ということになります。消費者がサステナブル認証の商品について理解しなければ、商品の価格にそのコストは転嫁できません。それでは投資家は、企業の成長戦略として評価ができない。消費者がサステナビリティを理解する必要があるのです。
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FRaU SDGs号(2019年12月20日発売)より。同号には、みんな電力も見開きページで参加させていただきました

 私は、「FRaU」(講談社)という女性誌のSDGs特集号プロジェクトに関わるなどしています。消費者(この場合、雑誌の読者)がサステナビリティの重要性を理解し、消費活動が変わることで、企業の潜在的成長性が高まると思うからです。
 でも、それを一企業でやることは無理です。繋がりをつくってやっていかなければ、社会の価値を変える大きなムーブメントにはなりません。サプライチェーンやビジネスパートナーも巻き込んで取り組んでいかないと、投資家にしてみれば「あ、一社だけやっているのですね。社会貢献事業ですか」ということになってしまうのです。
鈴木 仰る通りです。
吉高 例えば、2025年の大阪万博の招致プレゼンには「SDGs達成に貢献すること」が掲げられていました。東京オリンピックの招致時はSDGsが採択される前でしたが、持続可能性に配慮した調達コードというものがありました。大阪万博ではきっと、SDGsが調達コードで取り入れられるでしょう。
 そうなると、大阪万博で何らかのビジネスに関わろうとすれば、SDGsウォッシュではなく、本業でいかに本当のSDGsをやっているかどうかが条件となり、できていなければ、ビジネスチャンスを失うかもしれません。
サステナビリティとは一企業でするのではなく、ビジネスパートナーと一緒にやっていくことで、ウィンウィンになれるのではないかと思います。そして、特にこのコロナ禍では、投資家はそのような視点で評価していくのではないでしょうか。
鈴木 循環型経済として、我々が「何をどこから仕入れ、そこからゴミがどうなって」という、そういった循環までのイメージは一応できてきています。そしてここから先、そこでどんな企業さまにお力添えいただくか、どう投資家さんに入っていただくか、そんなことまでをもうちょっとブラッシュアップさせていくべきなんだなと、今のお話ですごく理解ができました。
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吉高 企業の情報発信は漠然と社会に対してやるのではなくて、同じコンテンツでも、聞いて欲しい相手によって、表現や手法を変えていかなければ伝わらないのだと思います。
 例えば米国のGE(ゼネラル・エレクトリック社)の2017年の報告書を見ると、CEOのメッセージではっきり「Dear Investors(投資家), Customers(お客様), Partners(ビジネスパートナー), and Employees(従業員)」というように、その報告書のステークホルダーに呼びかけています。これは世間一般に対してのメッセージではありません。

 

長期的目線で循環型、皆で繋がっていくからこそ可能な「ESG」はどのように可能なのか?最終回は来週月曜の公開です

 

(協力:山下麻美/構成:平井有太)
2020.5.23 sat.
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