2017.09.15 Fri.

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お話を聞かせてくださった、山陽製紙・専務取締役/CSR室長の原田千秋さん、代表取締役の原田六次郎さん

  みんな電力が運営する、日本初のエネルギーのポータルサイト・ENECT(エネクト)ではこれから、電力を実際に切り替えた方々、そして具体的に発電・売電に一歩踏み出した方々の想い、お話を届けていきます。
 山陽製紙株式会社は大阪府、泉南市で創業100年も視野に入ってきた、社員約45名の製紙会社。代表、専務が牽引し、社員が率先してエコ検定、CSR検定を受け、全国の企業から使用済みのコピー用紙を回収して再生する「KAMIDECO」プロジェクトをすすめる、明確に環境意識の高い企業だ。
 なぜ、そこまで環境にこだわるのか。社内から、「必要ない」という声はあがらないのか。地域や、関係企業からの反応は?今の社会を、これからの未来を、どう見ているのか。
 みんな電力に電力を切り替えた背景に何があるか、代表と専務に、話を伺いました。
原田六次郎(以下、代表) 山陽製紙は、厳密には創業から89年ですが、今の社名となって今年で60周年です。その50周年、つまり10年前に一つの区切りで「今後、製紙メーカーはどうあるべきか」ということを専務ともいろいろ話して、我々の経営理念を再確認する意味で「一度新たに刷新しよう」となりました。
 では「どのような考えでやったらいいのか」という時に、紙自体は私どもはすでにリサイクルしていましたので、その時点で「環境」という側面では時流に乗れてはいたと。
 ただそれ以外に、製紙は例えば水はムチャクチャに使うんですね。1トンの紙をつくるのに、100トンくらいの水を使うので、我が社のような小さい会社でも1日2000トンは地下水を汲み上げて使っています。また電力も、製紙工場というのはモーターがたくさんありまして、小規模な会社であっても、売上げの5%程度は電気代なわけです。
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 ですから、環境に対して非常に負荷をかけている産業でもあるので、社として「環境に配慮した工場にしていこう」ということで、新たな経営理念のもと、どんどん啓蒙活動や社員教育にも力を入れてきました。
 社員の皆さんも意識が高まって、今では毎月隣の川(男里川)の掃除をしてくれたり、あとはエコ検定試験というのがあります。もう10年近く社内の誰かしらが受けてきて、合計で34名が受かっています。もちろん中には5、6回受けても通らない人もいるんですが(笑)。
 そうこうしていたら、オルタナ編集長の森(摂)さんとお近づきになって、これからは「CSRで、課題解決型の企業にならないとあかんよ」と伺って。じゃあ「エコ検定の後はCSR検定だ」ということで、これはさらに一段難しいのが、20名近くも受かっています。
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 大量の排水と、その排水の汚れについて、私たちが府から受けている「瀬戸内規制」は、例えば静岡の太平洋のそれより厳しいわけです。ただ、我が社の経営理念は、「前向きに循環型社会に貢献して、環境に配慮していこう」ということなので、「少しでもきれいな水を流した方がいいな」という。同時に、一般の中小企業としては「規制値さえ守ればいいじゃないか」という想いもあるんですが、60周年ということもありますし、「どうせ将来この方向にすすむのであれば」ということで、最近新たな排水の処理設備建設にも着手しました。それは、我が社の年間総売上10億の中で、総額で約3億を投資する事業です。
 地域に根ざす中小企業として、もし汚い水を流してるだけでは、近所の方々にそういう目で見られてしまうわけです。社員にしても、そこへの配慮無しには後ろめたい気持ちになりがちですが、そうはならないよう考えて、今は前向きに喜んでくれている状況です。
 ところが、正直電気については、その時点で考えていなかったんです。
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—そこで再度出てこられるのがオルタナの森編集長で、森さんのご紹介で、みんな電力と出会った。
代表 私たちは関電さんと、大口電力として3年に一回の契約をしてきました。それがちょうど、今年の3月末が期限だったんです。かなりいい条件で契約させていただいていたのですが、みんな電力さんにもかなり頑張ったお見積もりをいただきました。正直、価格的には関電さんの方が我が社としてのメリットは大きかった。でもよく考えれば、何にせよ、去年よりは大幅に安くなるという話だったわけです。
 それで私は悩みながら、というのも我が社の社員は業績を何とか落とさないよう、日常的に節電ですとか、あらゆる努力をしてくれているんですね。そんな彼らに、「ちょっと電気代が高いけれども、自然エネルギーにするよ」ということを、どこまで理解してもらえるか心配しながら、事情を話したんです。すると大賛成とまではいきませんでしたが、それでも私の気持ちを汲みながら、「みんなでもっと節電しながら、去年より安くしましょう」と言ってくれたんです。それで私と専務も、「じゃあ、やるか」となりました。
原田千秋(以下、専務) 社員さんたちは、社内で「業績アップ委員会」というのをつくっています。社として日々どれだけ節約するかというのを、ものすごくきっちりやってくれているんです。もちろんその担当もいて、彼も「少しでも安くしよう」という中で、事情を理解してくれました。
代表 もう本当に、ウチは経理が全部オープンになっているので、すべてに関して、社員の同意を得ることもとても大切なんです。
—「新電力に切り替えると、電力はちゃんと安定的に供給されるのか?」という質問もよくあります。そのあたりは、いかがでしたか?
代表 最初はありました。でもそれも仕組みを聞きますと、関電さんの役割としてそういうことは起きないということで、心配もなくなりました。丁寧なご説明を受けて、たとえ「みんな電力さんが破綻したとしても大丈夫だ」と(笑)。
 私たちにも、いつも「再生可能エネルギーにしたいな」という意識はあったんです。安い電力よりも自然エネルギーの方が会社の理念に合致するわけで、しかし価格があんまり高過ぎると経営の負担になってしまう。
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水芭蕉発電所は長野県にある国内有数の豪雪地帯・鬼無里にあり、春先に流れ込む水を有効活用して発電している

 先日は、みんな電力さんと長野県の水芭蕉発電所に一緒に行かせていただきました。すると現地には副知事さんや大勢の県会議員さんも何十人もおられて、副知事さんから「大阪へも電力を送ります」ということで、それは長野県としてはとても喜ばしいことのようでした。私たちも、その日のうちに地元の新聞社と信州放送さんに取材いただいて、そういう広報的な効果もあるわけですし、それを言ったら、今日の取材にしたってそうですね(笑)。
—大手電力会社による、大口需要者向けの格安プランも実際にあるわけです。そうすると価格として再エネの方が高くなってしまうこともあるかと思います。その上で、切り替えのメリットはどこにあるでしょうか?
代表 まず我が社は理念ありきです。ですから、再生可能エネルギーが使えればそれにこしたことはありません。心情的にも「原発はよくないな」と思っていますので、自分自身の気持ちとしても、とてもよいことです。
 それに加え、早めに電力を切り替えたおかげで各種メディアから取材いただいたり、企業の社会的価値の向上にはとても役に立っていると思います。
専務 弊社は一般消費者向けの商品もつくっていますから、よりきちんと、こういったこともPRしていけるようになると思っています。
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代表 特に大手企業さんとのお付き合いの上で、環境に配慮されているところも増えています。私どもはエコアクションもやっていますので、そこの部分でも最初からある程度OKという評価もいただいています。世の中の流れも、環境に対する意識が高まっているわけで、そういう面ではもっとこの取り組みをプラスに転化していきたいと思います。

 

次回へ続く

 

(取材:平井有太)
2017.06.28 wed.


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