2018.08.27 Mon.

EXPOオープニング
  オーガニックコスメの第一人者、小松和子さん。小松さんも、みんな電力の扱うエネルギーの在り方に共感し、想いを寄せてくださっている一人だ。では、そこにあるであろう、コスメとエネルギーの間の「共感」とは何なのか。
 小松さんが、その花形エリアである「エシカルコスメゾーン」を総合プロデュースする国内最大級、第3回目となるオーガニックライフスタイルEXPO開催を約一ヶ月後に控えたある日。
 華やかな芸能界のメークの世界から、当時はまだまだ知られていなかったオーガニックコスメの世界に移行したきっかけは、ご自身の身体がケミカルな化粧品に拒絶反応を示した体験に端を発すると語ってくださった小松さん。
 そうして、本当に最初はたまたま、友人がお土産にくれたドイツ製のオーガニック化粧品に出会ったのだった。
ブランド新作発表会
ー良いものを一度知ってしまうと、後戻りは難しい。
小松 とはいえ、今も撮影業界で需要のある化粧品は、メイクならやっぱり”ツキ”とか”モチ”、発色という側面で、ケミカル原料の力を借りないと仕事ができません。だから100%ナチュラルということは、そもそも業界としてとても難しいんです。
 それから美容室も、ケミカルでしかできないパーマとか、すごいカラフルなカラーなどを望むお客さまはいらっしゃいます。だから美容業界では、人と環境に配慮できない製品がなくなることはあり得ないでしょう。でもその反面、自然のものを使って「髪を染めたい」、「ケアしたい」という方々もどんどん増えているわけで、例えば美容室なら、ケミカルとナチュラルの両方を選べる時代に代わっていく必要があるのです。それがどうしても、アート系というか、先端に走っちゃうところは、ケミカルしか提供しない傾向が未だに強くあります。
 長く働かせていただいた撮影業界では、頑張れば頑張るほどケミカルを使わざるをえない状況があって、数年間自分自身での葛藤がありました。本当は業界自体大好きだし辞めたくないけれど、自分の身体も心配で、当時担当していた女優さんたちにお手紙を書き、20年続けた撮影業界を卒業させていただいたんです。それがちょうど10年前のことでした。
ー気づかれてから数年間、忸怩たる想いで継続されていた。
EXPOセミナー
小松 撮影業界をやめた当時はオーガニック化粧品のことはまだまだ一部の方にしか知られていませんでしたが、少しでも需要があって、自分が食べていけるくらいであればやろうと思って、この世界に足を踏み入れちゃったという感じでした。でもやっていくにつれ、ふと気づくと私のまわりには環境系の人たちがいっぱいいて、「あれ?私こんなつもりじゃなかったんだけど」と思ったほどでした。
ーそれはコスメ業界以外の、食とかエネルギー等々のことでしょうか?
小松 そうです。単純に「ナチュラル・オーガニックでビューティを伝えたい」という想いでやっていたのが、よくよく考えていくと「全部繋がっているよね」という風に考えるようになりました。
 しかも、その製品がつくられている過程がエシカルであるとします。するとおのずと、その原料や素材も汚れている土地ではつくれないものとなります。それは汚れた海でもそうですし、つまり私たちは、このナチュラルでオーガニックな製品がつくられている一番の源を考えなければならないんです。それで、そこを突き詰めていくと「なんだ、全部繋がってるじゃん」と。
 今、世の中には「オーガニック」を唱えている美容家の方々はいっぱいいます。でもよく聞くと、そういう方々もケミカルとナチュラルの融合を勧めていたりするんです。
ーユーザーの方も、ある程度の知識がないと、そのことに気づけない。
小松 絶対に無理だと思います。でもそもそも、環境を汚すものが混ざっているのにオーガニックをうたっていたり、本来はそこで”ハイブリッド”とか”融合”という言葉は通用しないはずなんです。
 当時私はその状況を見ながら、自分を「お堅い人間なのかな?」、「柔軟性が足りない?」と思ったりしていました。でもそこは、なぜ自分がその時”融合”しているものを勧められなかったか、それは今は腑に落ちています。
 まず自分の身体が受け入れられないし、そういうものを人にも勧められない。「何が本物か」ということを、自分の身体がわかっていたんです。そしてそれが、今になって支持を受けているんです。
ーその「支持」は明らかに感じますか?
小松 はい。それもここ3年くらいですね。
ブランドイベント
ーお話を伺っていると、原料の源ということはみんな電力の技術であるトレーサビリティですし、ドイツが先進国ということ、そして電気にも証書と呼ばれる、火力でもお金を出すことでグリーン電力とされる仕組みがあったり、共通項が多いような気がしました。
小松 正直、まだまだコスメの世界では、エネルギーのことをどこまで考えてやっているかという部分がありますが、絶対的に繋がってはいるはずです。
 再生可能エネルギーとどこまで重なるかわかりませんが、本来、化粧品というものは非常に生分解性に乏しい原料が多いんです。ただ、オーガニックの化粧品の場合は、植物原料を由来として合成でつくられるものも多く存在するものの、身体への毒性だけでなく、私たちが河や海に流した時、どれくらい早く分解していくかという「生分解性」も重要視され、厳しい基準が設けられた上で使用されています。つまりそれは、「地球環境を悪くする速度を遅くしなくちゃいけない」ということなんです。
 その時にケミカルの原料メーカーさんも、一応「私たちも生分解性の高い製品をつくってます」とは言うんですが、生分解をしていく速度は非常に遅い。それでは、人間が朝晩使って日々海に流していく速度に追いつけません。
 新しいブランド、商品がどんどんできてきて、それをみんなが使って、その消費の上で分配するエネルギーが追いついていかないから、結果としてそれは環境負荷となり、ヘドロが溜まっていくような状況ができてしまう。だから「オーガニック」をうたっているブランドさんは、生分解性が高いものを使うということがすごく重要です。なるべくシンプルな成分でつくるのがベストなんです。
ーエネルギーの世界でも大切とされている「循環型」ということでしょうか。
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小松 化粧品の業界にも、植物を育てる上で「その土地に流れ込む水もきれいでないといけない」ということで、川にシジミを放流して、水をきれいにされた方がいらっしゃいます(笑)。つまり、食品も肌につけるものも、原料になるものは「口にできるくらいのレベルじゃないと」という考え方で生産される方もいるんです。
 今の化粧品は、本来、人の肌につけられないようなものばかりが出てきてしまって、地球も人体も、土地も海も汚してしまいます。
 現在ハワイでも、紫外線を防ぐ成分として、日本名でメトキシケイヒ酸エチルへキシルオキシベンゾンなどの紫外線吸収剤というものが入っている日焼け止めを使用禁止にしようという動きが始まりました。こうした日焼け止めを使って海に入ることが珊瑚の白化に繋がるからです。でも残念ながら、日本で売られている一般の日焼け止めにはほぼ全部、それと同じ成分が入っています。
 オーガニック化粧品では、こうした製品がつくられることは、まったくありません。沖縄でも珊瑚の白化は問題になっているので、第3回目のエキスポでも珊瑚の白化を守るためにつくられた日焼け止め製品が出る予定です。
 懸念されるそれらの成分は、サンゴの白化だけではなく、私たちの体内のホルモンにも深く影響してきます。長く使えばホルモンバランスを崩す恐れもあるので心配です。もし、小さなお子さんに塗った場合、脳の発達障害に繋がったり、生殖器関係への影響で、男の子の場合は精子の数が減ったり精巣のサイズが小さくなったりすると言われています。
ー怖いですね、、!
小松 化粧品の原料も、実は深刻な成分がたくさんあるのに、日本の基準は安全性や環境保持への意識が低く、むしろその部分は世界的にもとても遅れているのが問題だと思います。それほど問題が大きいからこそ、みんなで考えて変えていかないといけないはずなんです。
ーとはいえ、今声が大きくなってきているのも感じられている。
小松 確かに、少しずつ、です。
 変わってきたなと一番大きく感じたのは、東日本大震災の後からです。あれをきっかけに多くの方が自分たちの未来の危機を感じ始めたのだと思います。いつ何があるかわからないし、ここのところ明らかに環境がおかしくなっている。さらに私たちは、気づけばいろいろな添加物に囲まれて生活していますからね。
 環境が悪化する中、少しでも「自分でそれを回避できるなら」ということで、アロマテラピーや、植物療法ホメオパシーアーユルヴェーダクレイセラピー、ヨガなどもそうですが、代替医療や健康法を学ぼうという方が一気に増えています。最近は、かなり知識の高い人が普通にいらっしゃるようになってきました。
 私もここでアカデミーを開催し、オーガニックとかナチュラルとは言ってみても、単純に流行りの化粧品を使って楽しむ学校ではなく、「界面活性剤って本当に悪いの?」、「防腐剤って身体にどんな影響がある?」、「化粧品はどう使いこなすべき?」という、肌と化粧品の根本的な知識を学んでいただき、「オーガニックを使う意味とは何なのか?」というところに落としています。
 代替医療も自然療法の一つです。自然療法に行き着くと、次は「そこで使う材料もオーガニックじゃないと意味がないよね」ということで、皆さんその姿勢は共有されています。
 皆さん本質に気づいていくんですね。
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<お知らせ>

ナチュラルライフ&ビューティーアカデミー』は2017年1月からスタートし、今迄、多くの受講生の方々がベーシックコースを修了し、それぞれのお仕事や、自分の為に活かされています。
なかなか知りたくても教えてもらえる場所がなかったオーガニック、ナチュラルに特化したスキンケア、メイクアップのベーシックな知識を1日で習得するコースになります。
今後のベーシックコースのスケジュールは以下の通り
↓↓↓↓↓
東京校
9月30日(日) 12:30-17:30
10月20日(土)12:30-17:30
11月4日(日) 12:30-17:30
12月9日(日) 12:30-17:30
東京(アトリエ・スセリ)東京都港区南麻布1-5-14麻布東町マンション301

名古屋校
10月6日(土) 10:00-16:00
愛知県産業労働センター(ウィンクあいち1205室) 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4番38号

 

オーガニックコスメについて、そして環境について、気づく方々は増えている。では、エネルギーについては??
小松さんインタビュー最終回は9/3(月)公開です

 

(取材:平井有太)
2018.8.8 wed.


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