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2016.11.15 Tue.

エコやサステナブルに関心ある方必見!持続可能な環境や再生可能エネルギーのエキスパート登場!!環境コンサルタント梅原由美子さん

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自然エネルギーを選んで買う

サステナブル・イノベーション・インタビュー
【第二回】エコやサステナブルに関心ある方必見!持続可能な環境や再生可能エネルギーのエキスパート登場!!

環境コンサルタント 梅原由美子さん

ENECTが届ける再生可能エネルギーとは、自然界の営みから永続的に継続して利用できるエネルギー。本連載は、ENECTの主旨と同じく、サステナブル・イノベーションを推進する方々からお話をうかがい、地球に優しく清新な暮らしのアイデアを探していきます。2回目は、持続可能な環境と開発のためのコンサルティング会社:《Value Frontier株式会社》の取締役であり、農村風景を守りながら地方のエネルギー自立を目指す、《里山エナジー株式会社》の取締役でもある梅原由美子さんに、環境と再生可能エネルギーについてインタビューしました。

環境コンサルタント梅原由美子さん
環境コンサルタント 梅原由美子さん


◆自然と環境への思いは、暮らしの中一つひとつの積み重ね

~環境コンサルティングのお仕事をなさるようになったきっかけは何だったのでしょうか?

梅原 高校時代にオーストラリアへ留学したことと、母の実家が青森で農業を営んでいたことがきっかけです。私自身は東京で育ったのですが、幼い頃か ら夏休みなどを利用し、田舎で過ごしたことで、農山村の暮らしを体験する貴重な時間が持てました。
 その後、高校時代にオーストラリアに留学する機会に恵まれました。1年間大自然の中でのびのびと暮らしていました。当時は産業植林というものを知らず、大量に伐採される木々が日本に輸出されていると知ってショックを受けたのです。高校生ながら資源を消費し続ける世の中に疑問を持ちました。このまま資源を使い続けていけば、いずれそれを守り残すためにお金を払わなくてはならない時代になるのでは?と考えるようになったのです。
 帰国後、大学では総合政策学部に進み、「環境と経済」について勉強しました。また大学院の時には、ロンドンを拠点とするNGO「環境と開発のためのリーダーシップ」の研修にも2年間参加させていただきました。世界を舞台に活躍する環境のプロ達と日々ディスカッションするという貴重な経験ができたことで、将来この世界でやっていこうという覚悟ができたのだと思います。
 結婚後、子どもがアトピーになってしまったことがあり、オーガニック食品の宅配サービスを取り入れるようにしました。すると娘の症状も改善していき、さらに生産者とのつながりを感じられる食卓になって、とても豊かな気持ちになりました。子育てをしていく中で、食や健康について考える機会も増え、私たちの暮らしと環境のつながりについて身近に考えるようになりました。
 私が、環境コンサルタントという職業についたきっかけは、実はいろいろなところに散りばめられ、積み重ねられていたのだと思っています。

環境コンサルタント梅原由美子さん
環境コンサルタントとして講演をする梅原さん


◆環境コンサルタントとしての貢献や魅力!

~梅原さんが、今まで行ってきた事業内容の代表的な事例をいくつか教えてください。

梅原 私の仕事は、クライアントが民間企業であるケースと政府(国)や自治体であるケースがあります。
 まず民間ですが、最近企業に求められる環境・CSR対応はどんどん厳しくなってきています。環境に適切に対応していない企業は、経営リスクがあるという考え方から、投資家に環境情報を公開する取り組みも広がってきています。
 これは、地球温暖化による気候変動など、ビジネスのグローバル化にともなって、環境に与える影響がローカルから地球規模になってきたことと大きな関係があります。また、これまでは主に製品やサービスの生産に配慮することが求められていましたが、原料調達、輸送、生産、使用、廃棄・リサイクルというように、ライフサイクルを視野に入れた企業活動が求められるようになってきているのです。
 さらに昨今では生物多様性についても考慮することが求められるようになりました。そこで弊社では、企業が取り組んでいる環境マネジメントを、継続的によりよいものにするためのお手伝いをしています。例えば、生物多様性の活動を始めたい企業には、ライフサイクル思考を取り入れて、自社製品が生態系から得ている恵みや与える影響について、一緒にスタディを行い、影響が大きいと考えられるところに対して、全社的に取り組めるようなプログラムを実施しています。
 一方政府(国)に対しては、環境に関する法律の見直しといった、直接政策に関わる仕事の他、国が途上国で行う開発援助事業の評価などを受託しています。 また、最近では国の支援事業を使って、各地で地域の資源を活かしたバイオマスエネルギー事業の提案や検討も行っています。


環境コンサルタント梅原由美子さん
バイオガス発電の排熱を利用している南国果樹園の視察(新潟県)

~環境分野に特化したお仕事を推進されてきましたが、その中での喜びについて教えてください。

梅原 海外に目を向ければ、経済活動による環境の悪化から、健康被害が出ている所は数多くあります。日本は水俣病を始め、かつて大きな公害問題があり、それを解決するために国も企業も知恵を絞って公害をなくす技術や法律を作ってきました。そのノウハウを持って海外での環境問題に取り組むことは、日本ができる大きな国際貢献だと感じます。
 近年、民間企業が途上国で環境・社会課題を解決しながら、自社の事業拡大を目指すという流れもあります。弊社もアジアやアフリカ、南米などの国々とのネットワークを活かして、日本企業の環境事業を海外に広げるお手伝いをさせていただいています。新規のプロジェクト企画や事業開発をするのは、それだけでワクワクします。言葉や文化が違う人たちと、力を合わせてプロジェクトが1歩ずつ前に進んでいく時は、この仕事をしていて良かったと喜びや、やり甲斐を感じます。

環境コンサルタント梅原由美子さん
調査のために訪れたエジプトの酪農場にて


◆サステナブルなエネルギーの時代へ

~最近手がけていることを教えてください。

梅原 最近は特に、国内と海外で農業分野のエネルギー事業を手がけています。私自身が取締役を務めている里山エナジー株式会社は、2015年に農村で再生可能エネルギーの事業開発を行うために設立しました。社長自身も農家ですので、農業が抱える課題を解決しながら、より付加価値のある農業活動ができるような事業をご提案しているところです。これには売電だけでなく熱の供給も含まれています。

~梅原さんが今、力を注いでいる「里山エナジー」について詳しくお聞かせください。

梅原 バイオマスも含め、地熱、川があれば水力など、エネルギーを作る資源は、里山には溢れています。例えば、酪農家の方たちは、牛の糞尿をたい肥化して近所の農家さんに使ってもらっています。これからは家畜の糞尿はメタン発酵させてメタンガスで発電し、売電することもできる時代です。発電の排熱は温室栽培の加温などにも使えますので、農業にとっても一石二鳥です。でも農家が農業以外のことに億単位の投資をするにはハードルがあります。「里山エナジー」は、ファイナンスや事業運営も含め、自ら事業に参画することで、農業経営を支えるエネルギー事業が実現できると考えています。
 他にも、木質チップを使った地域熱供給や、太陽光パネルと蓄電池を組み合わせて、集落内で電力を自給する仕組みなど、いろいろな可能性を模索しています。しかしなかなか一筋縄にはいかないこともあります。例えば「系統連系問題」。2012年以降、太陽光発電が一気に増えたこともあり、多くの地域で電力系統が受け入れられる容量が限界に近づいています。新たに再生可能エネルギーの発電所を系統につなぐために、接続工事にどれぐらいの時間がかかるのか?またいくらかかるのか?という不透明の部分があり、事業計画におけるリスクになっています。
 しかし電力自由化もまだ始まったばかりですから、長い目で見て、地域の役に立てる事業を進めたいですし、国に働きかけて必要な法整備なども後押ししながら、新しいエネルギーを更に発展させていきたいと考えています。

環境コンサルタント梅原由美子さん
「里山エナジー」本社がある阿蘇の風景


~まだまだ売電システムには改善点があるとお考えのようですが、みんな電力の行っている事業について、どの様なことを感じますか、

梅原 非常に好感を持っているのが、農産物の様に「顔の見える発電所」というものです。単に必要な電力を安いから買うというのではなく、その電力がどうやってできているのか、その発電が環境を悪化させること無く行われているかなど、環境を良くするために電力を使い、発電者や発電事業主を応援していきたいという意識に共感します。ですから単に大手と比べて料金が安いからということではいけません。安売り合戦になってはだめですね。
 そういう意味では、目指す方向性から言っても、いち早く再生可能エネルギーの重要性を伝える「みんな電力」さんと、私たちとも応援しあい、これから共に歩んで行ける新電力としての可能性は大きいと感じています。

環境コンサルタント梅原由美子さん
オランダの天然ガスステーション(生ごみが原料のメタンガス入り)


~未来、次世代に取り組みたいことについて教えてください。

梅原 日本の優れた技術を途上国に持っていく仕事をしていますが、海外の優れたシステムは日本にも参考になることがたくさんあります。
 例えばオランダでは、自治体が生ごみを分別・収集し、メタン発酵させることで生成されるメタンガスを、天然ガス網を通じて、自動車のエネルギーに利用しています。また発酵残渣はたい肥として農業に使い、メタンガスを生成する際に取り出されるCO2は、農業用ハウスに供給され、農産物の光合成を促進するために使われています。
 東京は地熱や水力といった、自然エネルギーは少ないですが、生ごみは大量に発生しているわけですから、この様なシステムがあれば、都会ならではの持続的なエネルギー自給ができるはずです。既存のシステムを変えるのは時間がかかりますが、資源や環境のことを考えると、悠長に構えている時間がそれほどあるとは思えません。
 近年は、個人や機関投資家が環境事業に投資できる「環境金融」という仕組みも進化しています。このような投資が広がれば、再生可能エネルギーの普及ももっと加速できるようになるでしょう。その上投資家にとっても金融商品の選択肢が広がります。未来へ向けては、今ある技術をもっと活かすことと、知恵とお金を総動員して、経済・社会の「環境力」を高めていくことが大切であり、その実現に向けて努力していきたいと思っています。

~今後のビジョンをお聞かせください

梅原 すべてが東京に一極集中せずに、地方(地元)にも魅力があり、そこでやりがいのある仕事をし、家族を持ち、子育てできるようになるのが、人の生き方として無理がない気がするのです。
 「里山エナジー」の本社がある南阿蘇村は、今年の地震で大きな被害を受けて、今は復興の最中です。地域のエネルギー自立は災害に強いまちづくりにもつながるということを、地元の方達にもお伝えしていますが、しばらくは復興のお手伝いをしながら、一歩ずつ再生可能エネルギー利用を広げて行きたいと考えています。
 エネルギーとは少し離れますが、最近日本の伝統文化にとても興味があります。日本には丁寧に作られたものを長く大事に使う文化があります。地方ごとに暮らしや文化が継承されていくことも、魅力あるサステナブルなまちづくりにとって大切です。これからは日本の技術だけでなく、日本人が培ってきたサステナブルに暮らす知恵や、素晴らしい伝統文化を学びながら、海外にも伝えていきたいです。
 これまでのサステナブル・イノベーションは、企業とか地域の中だけで別々に取り組んで来たことでした。しかしこれからは、企業や地域、そしてそこに住む人たちが連携して、心の中にサステナブルという考え方を取り込んでいけるような活動を行っていきたいです。

環境コンサルタント梅原由美子さん
調査の合間に地元の方との交流を楽しむ梅原さん


~最後に、読者にメッセージをお願いします。

梅原 エネルギーは一方的に与えられる時代から、選んで育てていく時代だと実感します。再生可能エネルギーで作っている電力を高い比率で使っている事業者を応援しようということが、将来的に再生可能エネルギーを育てていくという運営につながっていきます。「みんな電力」のお客さまが再生可能エネルギーをこれからも応援して下さると嬉しいです。そして私たちも地域の良さ、資源を活かした再生可能エネルギーを供給できるように頑張っていきます。


梅原由美子
Value Frontier株式会社 取締役
http://www.valuefrontier.co.jp/
里山エネジー株式会社 取締役
http://www.satoyamaenergy.com/

日本アイ・ビー・エム株式会社を退職後、シンクタンクにて再生可能エネルギー普及のための政策研究を行う。2006年に持続可能な環境と開発のためのコンサルティング、「Value Frontier株式会社」を設立。企業の環境・CSR経営や海外展開コンサルティングの他、国や自治体の環境政策に関するコンサルティングやアドバイスを行っている。また、各地での調査を通じて、農村こそが未来のエネルギー生産の主役であることを強く感じ、「里山エナジー」の設立に参加。現在熊本県を中心に、再生可能エネルギー事業化に取り組んでいる。

◆委員・資格など◆
・千代田区地球温暖化配慮行動計画書制度検討委員
・千代田エコシステム認証委員
・環境大臣懇談会メンバー(旧環境ビジネスウィメン4期)
・一般社団法人産業環境管理協会CFP(カーボンフットプリント)登録レビューア
・一般社団法人日本有機資源協会バイオマス活用アドバイザー

◆ 学歴 ◆
・慶應義塾大学 総合政策学部
・慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(修士)

◆主な著作◆
・”Economy Energy Environment – Beyond the Kyoto Protocol”(2002). Kluwer Academic Publishing. (共著)
・月刊環境ビジネス連載「純国産! 再生可能エネルギーの底力」(2011年~2012年)

◆受賞◆
・生物多様性保全のための森林再生事業「フォレストーリー・プロジェクト」で、”ロハスデザイン大賞2009”「コト」部門大賞を受賞


<ライター紹介> 松浦はるの(まつうら・はるの) ジョシエネLABO事務局スタッフ。インターネット放送「eco japan cup TV」の元企画構成・司会。現在は経験を活かし、ネット生放送「ジョシエネROOM」企画構成を担当。2016年7月にママカフェ『お買い物気分で、電力選び!』を始め、主婦向け講座「学びのママ会」の企画実施並びに開催運営を行っている。


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